なっさんの もうしおくり from マラウイ

青年海外協力隊、看護師としてアフリカはマラウイにて活動中。マラウイでの生活や協力隊のことをゆるーく書いています。

マラウイの医療

こんばんは。

 

今日はマラウイの医療のことを書きます。

 

まずは医療費のことから。

 

日本は医療費は3割負担ですが(高齢者を除く)、マラウイではなんと、無料です!

 

マラウイ人だけでなく、外国人も無料で治療が受けられます。

…しかし、医療水準は、教育レベルが低いことに加え、医薬品や医療機器の絶対的な不足により、日本と同レベルのものは到底期待できません

 

医療品や医療機器は他国からの援助、寄付に頼っているのが現状です。

 

たとえば、日本では総合病院には必ずと言っていいほどあるMRIという機械、これはマラウイには1台しかありません。

 

また、医師や看護師の不足も深刻で、医師の不足を補うためにClinical Officer(準医師)やMedical Assistant(医療助手)などの医師免許を持たない有資格者が実際の医療を支えています。

 

準医師は基礎的なお腹の手術や帝王切開を行うことができ、医療助手は、手術はせずに薬の処方や点滴の治療を行います。

 

県病院や、クリニック程度の病院には医者はおらず、準医師が診断、治療を行います。

 

マラウイに多い病気○

マラリア: 蚊を媒介して感染します。重症化しやすく、特に蚊が増える雨季には

        多くの人がこの病気で亡くなります。

狂犬病: 狂犬病ウイルスに感染した動物(犬、猫、コウモリ等)から
       感染します。        
       ウイルスは唾液に含まれます。
       致死率はほぼ100%という恐ろしい病気です。

 

・ 住血吸虫: マラウイ湖等、水辺で感染します。
        皮膚から入り、血尿が出たり、腎臓に障害を及ぼします。

HIV/AIDs: アフリカ全土で高い感染率を有しています。

感染症: コレラ赤痢、腸チフス、アメーバー赤痢A型肝炎寄生虫などの
                       感染症が常に発生しています。
                       生水、氷、生野菜等加熱されていない食品は危険です。

 

 

○カムズ中央病院○


っ前回も少し触れましたが、私は今、このカムズ中央病院で研修を受けています。

 

病院の敷地はかなり広く、入院病棟の建物は4階建てです。外来、一般病棟、小児病棟、手術室、 集中治療室もあります。

 

 

病室は、基本的に大部屋のみ。1部屋に10~30床ほどのベッドが並びます。また、部屋の中だけではスペースが足りず、バルコニーにもベッドが並んでいます。

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病院でも患者の身の回りの世話は家族がします。

 

体を拭いたり、着替えの手伝いをしたり、トイレや検査に付き添ったりと、家族は朝から夕方まで患者につきっきりで世話をします。

 

病院の敷地内には、患者への差し入れや付き添いの家族の食事を作ったり、洗濯をしたりするスペースもあります。

 

 

病院食。主食はシマかお米、それにマサンバというほうれん草のような野菜、そして豆の煮ものがでます。

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日本の中古の救急車がマラウイで活躍中。

マラウイで見かける車は9割移乗が日本の中古車です。トヨタばかり走っています。

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次回は交通手段について書きたいと思います。

 

それではまたー!

病院実習 in Lilongwe

こんばんは。マラウィは現在夜11時です。

 
先週末から今週頭にかけて、同期隊員9名が各任地へドナドナされていきました。
 
現在残2名。
 
引っ越しの様子 2人分の荷物です
 
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約1か月間の研修の間、全員でドミトリーで生活していて、食事も当番制で作っていました。
 
なので、今現在とても静かで寂しいです。
 
さて、現在残っている2名ですが、2人とも看護師隊員です。
 
マラウイの看護師隊員は全員、カムズセントラル病院で1か月研修の後に4週間の病院実習があります。
 
実習…という響きだけでもう嫌だ……
 
そんな気持ちを抑えつつ、実習が始まって今日で三日目でした。
 
病院の中はもういろいろとツッコミどころ満載。
 
HDU (High Dependency Unit) 
以外にもモニターも酸素配管もあります。ICUもありました。
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患者に投与中の点滴。点滴ルートが点滴の袋を破ってしまっていて外と交通しています。
本来であれば不潔なので破棄します。
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点滴の刺入部
日本ではほとんど選択しないような場所に点滴を留置します
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画鋲の代わりに使用しているのは注射針…
新品であって使用済みであっても問題ありです
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気になる点
・点滴が終了していても医者も看護師も気にしない
・至る所に使用済みの注射針がおいてある、外にメスの刃も落ちていた
・ベッドにシーツがかかっていない
・患者が使用した物品を消毒することなく次の患者が使用する
・検査室や車いす、ベッド等移動や移乗はすべて家族がする
・食事、トイレ、着替え、風呂等すべてのケアは家族がする
・患者一人一人に担当医がついているらしいが、その医者が現れない
・医者がいないので患者は放置される
・苦痛を表出していたり、苦悶様表情であっても基本放置
・患者が死にそうな状況でも治療方針が決まらないから、という理由で手を出さない
・清潔操作が必要な行為は基本的にすべて不潔
・局所麻酔をしない
・血統値400超えの患者がざらにいる(RBS:200が基準)
・血圧180~200超えの患者が多い
・はさみ、ペン、体温計、等探し物が多い
 
もう、すべてのことが目につきます。
 
ここから少し専門的になりますが、
今日、一人の患者が目の前で亡くなりました。
 
患者は18歳、AIDSを発症していて、呼吸不全で亡くなりました。病院に来た時にはすでに呼吸状態も悪く、SpO2 70台前半。
 
治療は経鼻酸素3L、維持液の輸液のみ。
 
来た当初は話もできていた子でしたが、だんだんと意識レベルが低下していくのが目に見えてわかりました。
 
意識もとぎれとぎれ、会話は不可能、呼吸も不安定。その間医者も看護師も特に何もしない。
 
私のいた部署に来てから約二時間後、呼吸が停止しました。
 
家族は付き添っており、すぐ隣にいた医者に声をかけるも、医者は特に反応せず一旦自分の患者の診察をしたのちにその患者のところへ。
 
その時には完全に呼吸停止していました。
 
家族は泣き叫びます。医者も看護師も側で声をかける…なんてことはなく、何事もなかったかのように仕事に戻る。
 
泣き叫ぶ患者の2メートル先で、世間話で盛り上がり、笑っている医者達。
 
マラウイに来て初めて、自分が異世界にいるのではないか、という気分になりました。
 
 
カルチャーショックです。
 
何故この人たちは医者や看護師を目指したのだろう、この人たちは自分の家族が同じ対応を取られても平気なのだろうか、、、そのような考えが消えません。
 
看護師長にその患者の対応について、治療方針は何だったのか、患者を亡くした家族へのケアはないのか、ということを質問してみましたが、納得いく答えは返ってきませんでした。
 
きっとマラウイにはマラウイの医療の在り方がある。死生観も違って当たり前。
 
私はこの2年間で何度、人の死を見、そしてやりきれない気持ちになるのだろう、と思うと気分が重くなります。
 
人の死が身近にあるこの国で、死ぬこと、そして生きることについて考えていきたいと思います。
 
 
 
これから来る看護師隊員の方へ
実習にはナース服が要ります。白か紺色が可です。こちらでもオーダーできますが、日本から持ってきたほうがベターです。

現地語(トゥンブカ語)研修終了

7/19から今日8/8まで、私の任地カロンガで話されている言語トゥンブカ語の研修を受けていました

 
研修日数10日 JICAオフィスで受けます
 
マラウイでは主に2つの言語が使われています
 
南部~中部は公用語、チェワ語
 
北部はトゥンブカ語です
 
今回、私たちの次隊は11人
 
その中でトゥンブカ語を習ったのは2人のみでした
 

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JICAオフィスの中のこの部屋で授業を受けていました

 
チェワもトゥンブカもコマ割りは一緒
 
8:00-9:30    クラス① 90分
9:30-9:45    休憩
9:45-11:00   クラス② 75分
11:00-11:15  休憩
11:15-12:00  クラス③ 45分
12:00-13:30  昼休み
13:30-14:10  クラス④ 40分
14:10-14:20  休憩
14:20-15:00     クラス⑤ 40分
 
このようなアンバランスなコマ割りで研修がありました。(これは言語の先生たちと相談して決める)
 
名詞にグループ分けがあり、be動詞等がこのグループ分けで変わる…という複雑な言語
 
難しかったですが、何とか10日間、そしてテストも終えました
 
言語の先生は女性で、授業の合間にマラウイの文化や習慣のことを教えてくれました
 
私の場合、勤務先は病院なので、仕事は基本的には英語ですが、
 
日常生活では現地語でコミュニケーション取れるよう、これからも勉強を続けます
 
Ni zamu sambira chitumbuka chomene!!
 
Yewo :

about マラウイ

今日はマラウイ、自分の任地カロンガについて書きます

 
 
アフリカ大陸南東部に位置する共和制国家で、イギリス連邦加盟国
旧称はイギリス保護領ニヤサランド(Nyasaland、ニアサは湖の意)
首都は私達が今オリエンテーションを受けているリロングウェ、最大の都市はブランタイヤ
日本との時差は7時間です
 
 
 
 
私の任地カロンガ(Karonga)
 
マラウイの北部に位置し、タンザニアとの国境沿いにある町
湖沿い
北部最大のムズズからminiバスで4~5時間(首都リロングウェからは約11時間)
 
タンザニアに近いことから、タンザニアの物や文化が入ってくる町
詳しくは赴任後、または2週間後にあるカントリーツアー(1週間、1人で任地や国内の先輩隊員を訪ねる旅)の後に書きます
 
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停電・断水

マラウイ生活10日目

 
 
こちらに来て3日目くらいですでに停電断水を経験しました
 
どちらも数時間ですぐに復旧しましたが、
 
こちらマラウイでは日常的に起こります
 
地域によっては週4日停電、ということもあるとか
 
 
この国では地域差もありますが、計画停電、断水をしています
 
電力は安定しておらず、
 
私達のいるドミトリーでも毎朝のように電力不安定(≒停電)を警告するアラームが鳴ります
 
首都リロングウェでは計画停電はありませんが、地方では週数回実施しているところも多いようです
 
 
 
マラウイの水は
 
①井戸水を汲み上げる
②川の水をダム等で貯める
③湖の水を引く
 
この3つの方法で使用しています
 
リロングウェでは②のダムで貯めた川の水を使用していますが、
 
・昨年から続く干ばつのため、水量自体が少ない
ダムの底に砂が溜まっており、貯水できる水量が少ない
 
この2点の問題により、慢性的な水不足です
 
マラウイは現在乾季で、11月頃まで雨は降りません
 
少ない水量で11月までしのがなければならないため
 
主に週末に計画的(無計画?)に断水を行っています
 
……が、
 
マラウィアンは危機意識が薄く、庭の芝生にスプリンクラーで水やりをしています
 
生活用水がなくなりそうなのに、芝のほうが大切なのか!?
 
 
 
これからマラウィアンを理解していこうと思います

マラウイ生活1週目

7/7にマラウイに到着し1週間が経過します。
 
経路は
25時間程の移動でした。
 
預け荷物は1人2つまでOK
 
で、
 
到着時1人、ロストバゲージしました。
 
翌日到着しましたが、リスク軽減のためにすぐに使うであろう荷物は2つに分けて入れて入れることをお勧めします!!
 
1日目、
到着後は事務所に行きオリエンテーションを受け、夕食、朝食の買い物をしてドミトリーへ移動し、荷物の整理をして就寝。
 
2日目、
ドミトリーのハウスキーパーと初めてのminiバスで出勤。
バス乗り場まで徒歩5分程度+バスで10分程で到着します。
オリエンテーションマラウイでの生活についてのレクチャーを受けます。
昼食に初めてのシマ!!(シマはマラウィアンの主食、とうもろこしの粉で作ったもの)
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3日目、
土曜休み。皆でオールドタウンという市場へ繰り出す。スリのメッカ。
 
4日目、
日曜休み。午前中に皆で買出しへ行き、午後は思い思いゆっくりと過ごす。
皆長旅からの新しい生活での疲れが抜けず。
 
5日目、
マラウイの大統領府へ表敬訪問。その後レクチャー。
この日から平日の夜は食事当番制となりました。日本人の作る料理は美味しい♪
 
6日目、
腸チフスの予防接種、レクチャー。
 
こんな感じです。
 
私は毎朝5時に起き、日記を書いたりして過ごし、6時からNTCでの生活から習慣になったラジオ体操、ランニングを同期隊員と一緒にしています。
 
ドミトリーを7時~7時半に出発し、17時くらいに帰宅します。
 
そして夜は21~22時には就寝します。
 
標高が1000m程度で眠りが浅くなるそうです。確かに夜中数回目が覚める…
 
そんな感じで、H28-1、全員元気にオリエンテーションを受けています!
 
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鶏が自転車に吊るされています。(生きてます!!)
 
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町並み