メイズ輸出と国内飢餓
一昨日の3/27より、家の前の道にトラックの行列ができています。
全く動く気配はないため、私の雇っているウォッチマンに聞いてみたところ、
このトラックは全てルワンダへの輸出待ちでここにいるそうです。
積荷はメイズ(甘くないトウモロコシ、マラウィアンの主食)。
何故停まっているか、
それは私の家の先にある警察署で輸出の許可をもらうため、とのこと。
↓警察署(私の
家から徒歩1、2分)
マラウイではほぼ毎年のように、乾季の終わり頃~雨季中頃まで食料不足(主にメイズ)が起こっています。
原因は大きく2つ
・マラウイの気候
・作物の不作
マラウイには乾季と雨季の2つの季節しかなく、乾季には全く雨が降らず作物が育たないことが原因です。(雨季は年間4か月ほどしかなく、通年水不足)
メイズは雨季の終わり頃に収穫し、次の雨季が来るまでその蓄えで生活しますが、乾季の終わり頃になると量が足りなくなるとの事です。
何故不足になるか、その原因に収穫量の減少が挙げられています。雨季には度々洪水が発生します。洪水による被害で作物がダメになってしまうこともあり、収穫量が減ります。また、現在育てられているメイズの種類にも原因があるとのこと。今マラウイで育てられているメイズは先進国から持ち込まれた品種改良済みのものだそうです。当時は従来の物の○倍の収穫ができる、という触れ込みで広まっていったそうですが、この種は土地の栄養も吸い取ってしまうため、それまで必要としていなかった肥料が必須となりました。それまで土地さえあれば育てられたものにお金がかかるようになったため、一度不作等で収入が減少してしまうと次のメイズを育てられなくなります。
マラウイでは約8割の国民が農業に従事しており、収入も微々たるものです。
(平均収入は350USドル!!2015年)
このような理由から、毎年食料不足が起こるのですが、
メイズ収穫後のこの時期には輸出を目的としたトラックが首都や地方からカロンガに多く集結します。(北部にある国境に最も近い警察署がここ、カロンガとのこと)
輸出した方がメイズが高く売れるそうなのですが、国内からは食料不足が予想される中で他国に輸出することに対して反発の声も上がっています。
そのため、ここで止められているトラックは、裁判所で輸出の許可を得て、警察で登録したうえでようやく出国できるそうです。(警察署で聞いてきました)
判決は明日。判決が出て、2、3日もあればトラックもいなくなるでしょう、とのこと。
↓カロンガ町中にある裁判所。よく周りに人が集まっているのを見るので、頻回に裁判が行われている様子
マラウイは最貧国の一つであり、その主要産業は農業。
メイズの不作で通貨マラウイクワチャの価値は数年前の半分程度まで下がっています。
外貨獲得と国内需要、、、難しい問題です。
今年はメイズが豊作になりますように