なっさんの もうしおくり from マラウイ

青年海外協力隊、看護師としてアフリカはマラウイにて活動中。マラウイでの生活や協力隊のことをゆるーく書いています。

看護実習終了

先週、20日間の看護実習が終了し、今日マラウイの看護師免許の登録が終了しました!!

 

カムズ中央病院での看護実習は色々な部署やマラウイの現状を知ることができました。

 

最初の2日間はshort stayという部署。

ここは外来で診察を受けた内科の患者が、投薬を受けたり、状態が落ち着くまで経過観察する場所です。

ここに来た患者は本来3時間以内に医師によって、入院になるか、ここでの治療後に帰宅するかの決定を受けます。

しかし実際は、担当医師が近辺におらず治療を受けられないまま亡くなる方や、病棟にベッドの空きがなく2日ほどここで過ごす方、状態が安定せず待合の椅子に10時間以上座っている方と様々でした。

 

その後の5日間は、このshort stayから入院になった患者が入るmedical ward(内科病棟)で実習しました。

ここは内科ですが、脳卒中マラリア、肺炎、敗血症、様々な科の疾患の患者がいました。輸血も行われていました。

毎日患者の入れ替わりが激しく、入院してくる患者と退院する患者、また亡くなる患者も多くいました。退院基準も不明瞭で、退院した患者の症状が悪化し、数時間後に再入院となることもありました。

麻痺のあるような患者でも病院でできることは限られているため、即退院です。

 

そして2日間のemergency/casualty 日本でいう救急外来での実習。

火傷、事故、骨折等の外傷の患者が中心です。同じ部署で何故か小児の処置も行っていました。

衝撃的な事例:

 ①森で4人の男たちに襲われた男性

  頭、腕、脚、全身に打撲・傷がありました。病院に来て数時間後に死亡。おそらくは頭部打なるほど。撲による頭蓋内出血によるもの。しかし、病院に来て数時間、検査らしいものは一切受けることなく、頭部も出血していたのか結局不明。CTdがあるのに何故検査しなかったのか不明。

 

 ②大型ナイフ(木や肉を切るもの)で襲われた男性。

  背中、腕に数十センチの傷。上半身に多数の打撲。

  傷はパックリと開いていましたが、本人は笑顔。経緯を聞いたところ、女性を他の男から奪ったのだとか。なるほど。でも、傷から見て、相手はあなたを殺すつもりだったと思うのですが。笑っている場合か?傷は勲章にでもなるのでしょうか…?

 

 ③火傷で皮膚がずるむけになった子供たち

  母親は小さい子供たちをおぶって家事をします。マラウイでは一般家庭にはコンロはなく、七輪やたき火が一般的です。そこで子供たちはよく火傷をします。すぐに冷やせれば良いのですが、水道もない家が殆どで、土で火を消したり、痛さを紛らわせます。 すぐに冷やせないことによって重症化します。そして、汚染された水や土を創部に当てることによって感染症も引き起こします。

 

5日間のsurgical ward (外科病棟)

外傷や手術後の患者が入院する病棟。マラウイでは衛生状態が悪いため、小さな傷でも壊死が進みます。ほんの小さな傷だったものが、骨や腱がみえるまでえぐれてしまった人や傷にウジがわいてしまった人などもいました。

衛生状態が悪いことに加え、栄養状態の悪い人が多く、なかなか傷は治りません。

 

3日間のunder 5 clinic (5歳児未満の小児外来)

名前は5歳児未満ですが、実際には12歳くらいまでの年齢の子供たちが来ていました。

検診で身長や体重を計りに来たり、各地のヘルスセンターでしっかりとした治療が必要と判断されて治療を受けに来る子供などがいました。

主に、マラリア、貧血、肺炎、敗血症が多かったです。経過観察が必要な人は入院となります。

 

2日間のpediatric ward (小児病棟)

小児病棟は外科、内科、軽傷・感染症等で3つの部署に分かれています。HDU(重症)の病棟もあります。

1つのベッドに子供が3人寝ていたりと、かなり混雑しています。患者の半数が夕方までに入れ替わっていたと思います。母親が付き添い、食事、トイレ、お風呂等の世話をします。

 

このような部署を廻り、20日間の実習を終えました。

実習期間は、注射や投薬、ケア等、やりたいことは何でもできます。マラウイではこのようなことも免許のない学生が普通に行っています。なので、私たちの実習期間も「やる?」と聞かれることが多かったです。

しかしJICAとしては医療ミスがあった時などのために、医療行為を行うことを禁止しています。私たちの仕事は技術や知識を指導・提供することなので、直接的には介入を行いません。

 

とりあえず、衝撃的なことが多かった実習ですが、無事に終わってよかったです。